証明=だれにでも伝わるように書く

中2生の数学。

証明の問題で困っている生徒がいました。

「いっつも何か足りないし、証明嫌いだ」

「こんなの、当然のことなのにどうして書かなければいけないんだ!」

 

いや〜全くその通りで、わかっていることをつらつらと書くことこそ

究極に「面倒くさい!!」ですよね。

証明は「丁寧さ」との勝負なんです。笑

 

さて、そんな生徒さん。

いつも通り証明の問題をするのもつまらないだろうと、

あるお願いをしました。

『小学生が困っているから文章題を一緒に解いてほしい。そして、その生徒が説明できるようにしてほしいんだ』

 

問題

A君、B君、C君の3人でアメを食べた。

食べた量は、A君の半分がB君、B君の半分がC君だった。

C君は3個だったとき、A君は何個食べたか


「わかりました。こんなの簡単ですよ!」と、意気揚々に始めた生徒。

 

数分後、

「どうして伝わらないんだろう〜。何が足りないんだろう〜」

 

今回困っていた小学生は、「半分」という意味がまだよくわかっていない生徒でした。

B君とC君ではC君の方が多いと思い込んでいる生徒さんです。

しかし、中学生は「半分」ということは知っているだろうと、こちらも思い込み。

 

人によって、知っている言葉や知識はちがうということを感じてほしかったんです。

「知っているだろう」

「当然じゃん」

と思っているのは自分だけで、もしかしたらその知識や言葉は通じないことがあるかもしれません。

 

そんなとき、「どこから説明すれば伝わるのか」を考えることによって、丁寧さが生まれます。

 

証明とは「誰が読んでも必ず答えにたどり着ける」ということなんです。

中学生の生徒さんは、しっかりとこちらの意図を汲み取ってくれました。

「なるほど、ちゃんとやさしくわかりやすく、全部伝えればいいんですね」

 

その後は、相手の立場に立って、スラスラと教えていました。

小学生の子もうなずく頻度が増え、なんとか「半分」の意味を理解しました。よかったね!ありがとう

 

実際の証明問題でも、「足りていなかった説明」に注目できるようになってきました。

解説と自分の解答との違いに注目して、「この説明が必要なのか。なるほど」と向き合えるようになりました。

 

できていない、足りていない、

これは見えていないのではなくて、

頭の中を書き出す練習ができていなかっただけなのです。

読む相手が見えていなかっただけなんです。

 

きっともう大丈夫ですね!