これからの子どもが身に付けたい能力とは?

昨日こんな記事を見ました

 

http://diamond.jp/articles/-/164979?display=b

 

DIAMOND ON LINE

に載っていた記事なのです。

 

今年入学の新高1生が大学受験をする2020年から

センター試験が廃止されることはご存知かと思います。

 

それで「そもそもなぜ廃止になるのか」なのですが、

それは「求める人材の質」が変わってきているから、です。

 

とても簡略化して言うと、

これまでは「知識をいっぱい知っている人」が賢いとなっていて、

たくさんのことを「知っている(覚えている)人」が世の役に立つ人となっていました。

 

しかし、これからは「知識をいっぱい利用でき、なおかつ他人と協力しながらも、自己の意見も持っている人」を必要な人材と言う定義に変わります。

 

まぁ…

定義というと、何だか枠にはめる感じがするのですが、

とっても簡略化していうとそういうことになります。

 

インターネットとAIの発達により、

 

知りたいことはネットですぐに調べられ、

AIにより、過去の超膨大なビッグデータを基にした未来予測もある程度できるようになってきています。

残念ながら、知識のストレージとビッグデータ活用による予測は、

人間には敵わない分野になってしまいました。

 

なので、知識をいっぱい知っている人は、

もはや何も知らない人に等しいと言っても過言ではありません。

過言かもしれませんが…汗

 

しかし、まだ知られていない出来事以外のことは、

コンピュータ(インターネット上の情報)は知っています。

もっとも、まだ知られていない出来事は、

僕たちも知りませんけど。

 

つまり、知識ストレージにおいて、

我々人間は、コンピュータには最早追いつけない状況です。

 

その時代において、

知識偏重型教育をしていることは、

やはり無意味なものになっていっているのですね。

 

でもこれは「知識を知らなくてもいい」ということではありません。

しかし、それよりも大事なことが「知識を利用する」ということなんです。

 

学力の三要素

記事の中にもありますが、

学力の三要素というものを文部科学省が提唱しています。

(1)知識・理論

(2)思考力・判断力・表現力

(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)

 

というものです。

(1)については、ずっと前から提唱されていて、今更説明もいらないかと思います。

(2)については、ここ最近よく耳にする「論理的思考力」や「瞬間的判断力」や「プレゼンテーション力」です。

(3)がほんの数年前くらいから話題になっているアクティブラーニングに代表される「みんなで一緒に考えて、課題の答えを考えよう」というものです。

 

主体性と多様性と協働性を言い換えると

自分の考えを持って伝えて(主体性)

相手の話も聞き理解し認め(多様性)

課題を解決するために協力しよう(協働性)

ということです。

 

この能力(学力)を「テスト」で判断することは非常に難しいのですが、

こういう能力(学力)を有している考え方ができるのかと言うことは、

ある課題やテーマに対して、

「あなたならどう考え、感じ、行動しますか」

と言う質問に対しての答え(考え)から判断することができるかもしれません。

さて…あなたならどうしますか?

 

あなたは今、アメリカの大学のある授業で、

「良きソマリア人のたとえ」の話を学んだ学生の一人です。

 

「良きソマリア人のたとえ」とは…

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%84%E3%81%8D%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%88

を参照してください(笑)

 

まぁ…簡単に言ってしまうと、

困っている人を助けましょうと言うことです。

 

あなたを含めたその学生達が、

授業後にその授業を行なった先生から、

別の教授が呼んでいることを告げられます。

 

教授が「12時ぴったりに教授室に来なさい」とのことです、と。

しかし、今の時間が11時50分。

教授の部屋に行くのにはギリギリの時間です。

 

授業を行った先生は、

あなたを含めた学生達に

「時間までに行かないと、どうやら大変な厄介なことになるみたいですよ」と告げます。

 

そこで、教室を出た生徒達は急いで教授の部屋に向かいます。

学舎を出て、教授の部屋がある建物までのキャンパスの道を小走り走っていると、

そこには、道端で足を挫いて倒れている老婆がいました…。

 

さて問題です。

この状況の時、あなたならどうしますか?

 

 

 

あなたの考えと行動は?

「助ける」

「見過ごす」

 

と言う一言答えだけでは、マズイでしょうが(笑)

こう言ったような問題が提示されます。

 

「答え」そのものにはあんまり意味はないのですが、

実際にこういうときに

「どういう考えを持って行動する人なのか」ということを、

上記3つの学力の三要素から判断するのですね。

 

なので、

「助ける。人として当然だから」というのだけだと、

大学入試の解答してはマズイでしょうね。

 

もちろんこのような問題が出る訳ではないのですが、

「あなたはどういう考えを持って行動しますか」

ということは、国語でも数学でも随所に問われることになると思います。

 

つまりは、

あなたの主体性と多様性と協働性とはどういうものなのですか?

ということを問われるわけです。

 

学力の判断基準は大きく変わるけれど…

それを「判断する側」が変わらなければ、

きっと学校でやっていくことは変わらないかもしれません。

 

そんな状況で、大学受験制度が大きく変わるのは、

なかなか大変だなぁと思います。

 

それは学校だけじゃなく、

我々のような「私的教育機関」も同様です。

 

そもそも塾は「個人の成績(個人の学力)にフォーカスした」勉強が主でした。

それについては、弊社みかんせいも同じです。

 

ただ、他の塾さんが「勉強の学力」に大きく注目する中で、

弊社みかんせいは「学力の基盤となる人格」の教育を主としています。

 

「まずは自分で学びとって、考えよう」

「考えたことを説明してみよう」

「できることは自分でやってみよう」

というのは、学ぶ根本の力を伸ばそうという意図からです。

 

話が逸れましたが、

学習の進め方そのものが大きく変化していくのはもう喫緊の課題です。

 

いつまでも「個人学習」だけだと、

学力的にも、人材としても、遅れてしまう可能性があります。

個人学習から協働学習へ

学習そのものが変わってくるでしょう。

子どもたちにも

学校の先生たちにも

保護者様にも

変化が求められています。

もちろん私たちもです。

 

そこで、みかんせいでは「協働学習」をテーマに

新しい学習方法をこの春から順次導入する予定です。

 

その第一弾が

タミヤロボットスクール なのです。

 

これは、

基本的には「自分一人で」

プログラミングをしたり、

ロボットを作ったりするのですが、

友達と協力し、話し合いをすることで、

新しいゲームを作った、

カムロボを動かし、

大きなロボットを作っていきます。

 

協力することも対戦することもありますが、

そこには大事な「話し合いと協力」があります。

 

話し合うためには自分の考えを持つようになります。

話し合うためには相手の話を聞いて理解するようになります。

そして相互理解と相互認証をした上で、

協力して一つのものを作り上げていきます。

 

まさに、

主体性と多様性と協働性

ですよね。

 

こうした「本物の学び」を通じて、

子ども達には「本物の学力」を伸ばしていってほしいなぁと思います。